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井上千鶴のことば


逕サ蜒・003

 

鴨とお茶

 

先週の日曜日、半日予定のない日が出来ました。

明日は、ゆっくり好きな事が出来ると思うと前晩から何をしようかと

心ウキウキと、読みたい本を出したり、近くを歩こうかと考えたり楽しい一時です。

さて、家事を手早く終え、念願の風炉に火を入れ、釜を掛けて、

一人で気楽にお茶を点てる事にしました。

薄茶点前で、昔、何度もお稽古しているはずなのに、これで良かったのかな?と、

手を止めて、考える始末です。古い本を出して来て、手順をなぞり、ようやく、

自服をする事が出来ました。

たどたどしい、お稽古ながら、一時いろいろな雑念を忘れ、正座して、お茶と

向き合う、それも一興です。

この日は、朝起きがけに、鴨のつがいが、一組ごく近くの空地の草むらに、じっとして、

何かを思案しているように居ました。

その内、雌の方が、かがんで(座って)卵を産むのかと思うような態勢をとりました。

じっと見ている事も出来ず、朝食を終え身支度をして見に行くと、跡形もなく

二羽の鴨は居なくなっていました。何を思って、草刈りをしたばかりの草むらに

二羽のつがいが2時間程も佇んでいたのでしょう。

その様子を見られただけでも、ほのぼのとした気持ちになれ、その上、

拙いお茶を点て季節の水無月のお菓子をいただき、良い一日を過せました。