日々だより

【林田千華 ブログ】紅型と藍型

民芸の成り立ちは、「民具からの発展」「外来文化の移入」「貴族的工芸の影響」からと書かれたものを読みました。
沖縄の紅型はその中でも「貴族的工芸の影響」に属する。故に鮮やかで華麗だけではない格式も備えていたのではないかと思います。

2023年6月、「ひがしや」さんは琉球舞踊家の宮城茂雄さんから衣裳製作の依頼を受けられ 黄色地鳳凰瑞雲霞文様紅型紋紗衣裳 (那覇市歴史博物館所蔵)を復元されました。

琉球王国時代の15~16世紀では中国や日本だけではなく東南アジアまで交易を行い、様々な文化を取り入れ稀有な美術工芸技術を醸成していった。
紅型と藍型が出てきたのは、15世紀以前と推察されているが、宮廷舞踊が踊奉行と定まる17世紀とみられ、踊り衣裳が階級制に付随したことにより染めの発達を促進させました。
柳宗悦ら民藝運動の同人たちは昭和13年に初めて沖縄に訪れた後、2年間の間に4回来沖し多くの工芸品の蒐集を行っている。その成果は日本民藝館のコレクションとして現在もその魅力を伝え続けています。

昨年、沖縄は復帰50年を迎えました。
戦争で失ったものは計り知れませんが、今また伝統を繋ごうとひたむきな姿勢で取り組んでいる若手の職人さんたちがいます。
私たちが知り合った「ひがしや」さんも100年残したい紅型として、踊り衣裳を始め一人ひとりのお客様のオーダーも受けられています。藍型の琉球藍は全て庭で土から育てられていました。
スピード感よりもゆんたく(おしゃべり)をしながらじっくりと作り上げる琉球の美が宿るもの。
井上企画・幡として美と職人の手仕事の価値を見出す「民藝」(民衆的工芸)を商品として作れないかなと考えるこの頃です。

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