博道イズム
師走に入り、暦の上では、大雪の今日この頃ですが、この所の暖かさは、まだ秋の頃のように思われます。来春オープン予定の「井上博道記念館」の建設が、そろそろ始まり、毎日、大工さんや電気屋さん、こぼち(解体)屋さん、足場を組む人等が出入りされる中で仕事をしています。出来る限り「ほこり」が立たないように養生しながらの仕事で、お互いやりにくい思いを抱えつつ何とか続けていますが、これが、来年の春まで続くかと思うと気の重い事です。そんな中、12月12日の博道の祥月命日に大阪芸術大学時代のゼミ生の方々が集まって来られました。久し振りの面々で、相変わらず昔の博道とのエピソードの数々を語り合い、肝心の新ギャラリーでのゼミ生の写真展の事を話し合うべしで集まった会が、延々話題が右往左往して、大いに皆、楽しんでいる光景は、30年以上も前にタイムトリップしたようでした。ただ、その中に博道が居ない事が何とも言えず寂しい気持ちになりました。結局、次回までにネットで話し合うとの事で、お開きになりました。1年後か1年半後には、さて、どのような写真展になるのか楽しみです。ゼミの人達との話しの中で、彼らの年齢差は博道ゼミ一期生の方と最後の方とでは、20歳ほどもあります。それが、一つ何で結びついているかと言えば、博道の写真に対する思いと自然、人、物に対する「ひたむき」な思いをいつも感じ、見せられた事だと口を揃えて言い、これこそが「博道イズム」だそうです。この集まりを、博道は、空の上でどう見ているのでしょうか。多分「少々恥ずかしいな~」と思っている事でしょう。でも、今の私にとっては、こんな影響を受けてくれた人達が今でも居てくれる、有難さを思い、同時に記念館を意味ある物にしなければとつくづく考えました。