屛風
新型コロナ騒ぎの中、季節は夏から秋に移り、爽やかな風を楽しめる頃になりました。薄や えのころ草、かるかや が、繁茂し、雨上がりの早朝は、美しい緑のウェーブを見せてくれます。秋草と言えば、金の下地に薄や露草、なでしこ、野菊が配され、中央には戯れる3匹の子犬が描かれている屛風を13年前に購入した物があります。夏が終わり、ようやく待ちわびた秋に使いたいと毎年思いながら、6曲1隻の屛風は、それなりの広さの中でこそ、そぐう物なので、なかなか出せませんでした。しかし、購入してから、表装をやり直し、すっきり美しくなってからも、博道が存命の時に一度出したきりになっている事を思い、これから先、何度見るのかと思うと今年こそは10月のお月見には、是非、楽しもうと手狭な和室に飾ってみました。江戸時代中期の円山応挙の高弟、長沢芦雪の名が書かれているのですが、真贋は不明です。ただ、私自身は、初秋の趣と子犬の戯れ、何よりも琳派の雰囲気が気に入って購入したものなので、芦雪でなくても、この時期には楽しめる物です。久し振りに友人を招いて、お茶をいただこうかと計画しているところです。