井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

大阪城 斜め正面   人間ドッグ   1年に1度のドッグ入り。 早朝から体のありとあらゆる所をまるで 点検するかのように調べられます。 上からも下からもカメラを入れて身体の内部を見、 レントゲンを使っての投影や皮膚の上からの エコー検査等々、体の上からも中からも、そして、 血液、尿、痰など体の内から出る物も 全部合わせての点検作業が、2日半の間続きます。 不満めいた口調で話しますが、部屋の窓からは 大阪城のビル群を背景に、緑に囲まれた大阪城が 正面に見え、中々の景観が楽しめます。 小さな机と椅子が有る部屋で、検査の時間待ちの 一時は本を読んだり、テレビを見たりと憩いの 時間が楽しめました。 家と会社を往復している日々の生活では、 味わえない時かもしれません。   検査室の待合い付近に懐かしい絵が14点 掛けられていました。 「街道を行く」(司馬遼太郎著)の挿絵 須田剋太さんの作品です。 独特のタッチとガッシュの渋い画面は小品ながら 庶民の力強さとストイックな空気感が、 表現されていいます。 ドッグに入ってこんな出会いがあるとは、 不思議な、でも嬉しい事でした。 入院時は大雨だったのが、夕方5時には、 すっかり晴れて、ビル群とお城の古今の雄姿は 本当に感動しました。 博道が居れば、さっそく検査もそっちのけで、 シャッターを切っていたことでしょう。



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