井上千鶴の言葉
井上千鶴のことば
「この世界の片隅に」
今日は、この冬一番の寒さの上に、雪の舞う朝を迎えました。
昨日、今話題のアニメ「この世界の片隅に」を見ました。
映画館内のほぼ満席の観客は、私のような戦後間もない世代と中、高校生が多数で
占められていました。
アニメ映画を見るのは、多分、ディズニーの101匹わんんちゃんの頃以来かなと
記憶を探っていました。が、音楽と共に映像が始まると優しい音と、ふんわりとした絵に
引き込まれてゆきました。
戦前から戦時中にかけての「普通」の人々の生活、心の動きがほのぼのとして、
可愛らしい画と音楽で綴られます。
主人公の鈴(すず)さんは絵の得意な普通の田舎町のぼ~っとした「普通」の娘さんです。
その時代の日本の乙女でした。
戦争の悲惨さや残忍さは、あえて表現せず、既得の事実として、「普通」の女性、
鈴さんを追ってゆきます。
戦前の無垢な少女時代から、夫の人となりも知らないまま、嫁となり家の為に働き
戦争を体験します。
片手を爆撃で失っても尚、優しい夫や、浮浪児と共に終戦を迎えます。
自分の置かれた立場を肯定し(のみ込み)精一杯その中で、生きる戦後の人々の姿が
描かれ、涙が止まりませんでした。私達世代の人々は、このように思ったのでしょうが、
若い人達はどのように感じたのか聞きたい所です。
このようなアニメが、世界中の人々に見られ、平和の大切さを皆で共有できればと
つくづく思いました。