井上千鶴の言葉
井上千鶴のことば
大阪のおばちゃん
派手で、おしゃべり、おっせかい、その上、自己主張が強い、
良くも悪くも目立つ存在の大阪のおばちゃん。
こんな事を書いている私も他人の目から見れば、その一人なのでしょうが、
自分の事はさて置いて、久し振りにその典型的な人と同席しました。
もちろん初めてお目にかかった人ですが、お茶で立ち寄ったデパートの
喫茶室での事です。先に席に着いていた70歳位の婦人は、パスタを
パクパクと食べ終わるやいなや、横を見ると両手を広げソファーに寄りかかって
’’ いびき’’ をかいてお昼寝です。私達もゆっくりケーキとお茶をいただき
終わった頃、ようやくお目覚め。「あー、いい気持ちやった。」と一言。
その後は、自分の娘の事、息子の嫁の事、そして、今ここに居るのは、
娘がアイドルのコンサートを見に行った後、会う約束で待っているとの事、
それも、自分がコンサートチケットに抽選で当たったのをあげての事だとか。
話が次から次へと広がり、結局私達が「お先に」と言わないと尽きる風もなく、
弾丸の如く話が続きます。
決して気分の悪い話題ではないのですが、その迫力に気圧されて、ただただ、
笑うばかりでした。さすが、大阪です。
自分を飾る事なく、素のままで、今を精一杯楽しむ、その姿勢こそが、大阪の
おばちゃん、あっぱれです。
同世代としても少し恥ずかしく、少し、羨ましい限りでした。