井上千鶴の言葉
井上千鶴のことば
匂い、臭い
人には、視覚・聴覚・味覚・触覚、そして、嗅覚の五感があります。
中でも嗅覚、つまり臭い、匂いはとても微妙な感性です。
良い匂い、不快な臭い、気持ち悪い臭い、懐かしい匂い等と言っても
各人各様、その形容か、実際の匂いにぴったり当てはまるのか、
なかなか、難しいものです。
茶道、華道と共に香道も教養の一つとして、伝え楽しまれてきました。
慌しい生活の中でも掃除の後、たまに御香を焚くと澄んだ気と共に
優雅な気持ちになれるのは、不思議なものです。
昔から、日本人の生活には季節と共に、匂いが意識されてきたように
思いますが、特に最近は、若い男性とすれ違いさまに柑橘系の香りが
して、思わず振り返ったりもします。イケメンでなくても、感じ良く
思えるのは、多分、オーデコロンの効果なのでしょう。
先日は、大勢の人で賑わっているお店に入ろうと暖簾をくぐると、
爽やかなお茶の香りがします。
暖房の効いた室内に多くの人が居るだけで「むー」とする臭いが気に
なるものなのに、これは、お茶の持つ香りの力なのかと思わず感心しました。
いろいろなお店には、その店独特の匂い(臭い)があります。
レストランなら、美味しい匂いが欲しいし、洒落たブティックなら、
何気ない爽やかな香りがお似合いでしょう。
カフェ付きの雑貨店なら、どちらにも邪魔にならない、すっきりとした
香りが良いのでしょう。(私達のお店は、どうしているのかな?)
何はともあれ、匂い、臭いは、人にとっても、お店にとってもイメージを
作る上で、とっても大切な要素であると再確認しました。