井上千鶴の言葉
井上千鶴のことば
お菓子
昨日親しくしているお寺へ行ったところ、珍しい物があるから、いかがですか と
頂戴した菓子は、初めて見る物でした。
毎月1日が信者の方々のお参りの日とあって、各々お供え物を持参されるとか。
昨日も富山の方が昔ながらのお菓子をお供えされてのお下がりで、
私もそのお裾分けに頂いた次第です。
特に北陸地方の食品は、馴染みがなく、時に珍しい美味しさに驚かされる事があります。
そのお菓子は、白いお団子の上に甘納豆ほどには甘くなく、ほんのりと甘く、
一粒一粒しっかりと形が残った小豆がまぶされた素朴なものでした。
美味しく洒落た形でパッケージに入れられたお菓子を見馴れた目には、
昔懐かしいレトロなお菓子に出合いとても新鮮な気分になりました。
食品とは本来こういう事なのかと気付く一瞬でした。
几帳面にまじめに普通の昔からある材料で作る。
それが、いつ食べても美味しいという味になり、
何事も奇を衒う事なく律儀に正直に行きたいものだと思いました。