井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

3月11日に思う

 

二月堂の修二会も今日で満行、奈良にも

本格的な春の到来です。

日は一日と暖かくなる喜びの時ですが

3月11日は、日本人にとっては忘れられない、

忘れてはならない苦しい痛ましい記憶です。

毎年この日の前からキャンペーンで各報道機関が

いろいろな形で取り上げます。

特に今回は、5年が過ぎたという事もあり

毎日のように私達が知らなかった事や

5年の歳月を経ても尚、立ち上れない人々の

心の傷の深さ等と共に、年令の高い人達にとっては、

生活とコミュニティーの問題等、複雑に絡み合って、

悲しみだけではない悩ましい状態が続いている

有様を見せつけられます。

地震だけでも大変な事なのに、その上、大津波に

原子力の問題と今後何十年も、その負の遺産を

背負って生活しなければならない人々の事を

思う時、人間として、この先、文明の力をどこ迄

頼りにして生きてゆく事が良いのか本当に深く

深く、考えなければと思うばかりです。

だからと言って明治や江戸の昔の生活に戻る事も

できませんが、しかし、どこ迄もどこ迄も、便利快適を

追求する事が良いとも思えません。

限度、足るを知るという事を今こそ考えるべき時が

来ているように思えてなりません。

どこ迄も何事も発展し続ける事が本当の

幸せなのでしょうか。

つくづく考えるこの2週間でした。

 

花粉症にもどきどきしながら、何とか低空飛行を

続けてそれなりに元気で桜が待ち遠しいこの頃です。

 

 

 

 




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