井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

沈丁花

 

お正月三ヶ日には、水仙・蝋梅・椿が早々と

花をつけ、冬とは思えない風情のこの頃ですが

三日前位から何となく冬めき、この季節らしい

寒さを楽しんでいました。ところが、三年前に

植えつけてもらった小さな沈丁花が、

この暖かさの中、早々に白い花をつけています。

馥郁とした品の良い香りが、木の回りに

ただよっています。

三連休の半ばの今日は全く春の陽気そのものです。

落葉掃除で体を少し動かすと汗ばむような気温です。

沈丁花の花の香りを好んだ博道は冬の終わりかけ、

春めいた感じをどこかに探したい頃に、きっちり

咲いてくれる沈丁花の香りを散歩中に気付くと、

決まって 「もうすぐ春やな~。」 と言っていたのを

思い出します。香りに敏感な人でした。

そんな事を思いながら、この後もう春とは

思えないのですが、咲き出した花が、霜等で

茶色くなって枯れてゆくのを見るのも寂しいです。

やはり、季節は着実に進んで欲しいものです。

 




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