バス旅行
紅葉には少し間がある昨日、霊山寺が企画されている
霊山寺塾の秋の戸外研修に参加しました。
今年は、帝塚山大学教授の西山厚先生が講師を
務められています。バス1台を貸切り、三輪の大神神社の
若宮を祀る大御輪寺から聖林寺へ行き室生寺で午後を
過ごして、夕方帰宅というスケジュールです。
バスツアーと言えば高校の時以来の事かと思いながら、
大人(平均年齢は多分67~8才位でしょうか)ばかりの
それも顔見知りの方は2~3人で、ちょっとした不安の
中のスタートでした。
山の辺の田園風景の中、大御輪寺や聖林寺で
西山先生の楽しい講義を聞きながら、
自分の知識のなさに驚き、久し振りの勉強気分を
楽しみました。
室生寺といえば、博道が若い頃、日本の伝統文化
特に仏教美術の素晴らしさに眼を開くきっかけとなった
お寺でもありました。産経新聞社に籍を置きながら、
淡交社より出版した「室生寺」は、彼の代表作の一つです。
そんな縁で、お寺へ何年も季節毎に通い、その間、
門前の橋本屋さんとは家族のようなお付き合いを
させていただいていました。先年、奥様が他界され、
寂しい心持ちで御主人(91歳)とお会いし、お元気な
ご様子に胸をなでおろしました。
博道の手伝いをしていた頃、私自身も何度となく一緒に
訪れたお寺は変わらぬ静謐な雰囲気を湛えていますが、
昔と異なる所は、お守りやお供えへの宣伝の文書が多く
いろいろな物が並べられているのが、信仰と美を求めて
来る者にとっては、いささか煩雑に思えてなりません。
そんな事を思いながらも、素晴らしい密教彫刻の美しさに
引き込まれ大杉の木々に囲まれたお堂に一時存分に
浸れる幸せを感じました。
そんなこんなで昔を思ったり、又、バスツアーという
囲まれた人達との新しい出会いを楽しんだり、
いつの間にか夕方を迎え、こういう時も年を重ねると
良いものだなぁと改めて思う秋の一日でした。
夕方、家へ戻ると寂しそうな虫の音が、秋の終わりを
告げているように聞こえてきました。