琳派400年
本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、乾山そして酒井抱一、鈴木其一と続いた
琳派が日本美術の大きな柱となったのは今から400年以上も昔のことです。
その当時の美の世界を現代の私たちが見て、豪快、華麗、そしてはかない詩情を感じるのは
本当に日本人としての誇りというべき物でしょう。
時を経て、なお見る者を魅了してやまない感性の偉大さにふれるごとに
新しい驚きと喜びに満たされるのは、多分私だけではないと思います。
それほど私は日本美術の中でも琳派の美が昔から大好きです。
今回、この琳派が大きく取り上げられ、それと時を同じくして日本ブームというか
世界の人々が日本文化の特異性とその素晴らしさにようやく目を向けだしました。
アニメやおもてなしだけでなく、自然、歴史、くらし、美術、人間関係など
こんなにいろいろな角度から日本の良さを世界中が評価した時は近年なかったのではないでしょうか。
ひょっとしたらペリー来航以来のことではないかと思うほどの評判です。
パスポートのハードルが低くなったことや、東京五輪に向けての宣伝効果
他国とくらべると安全であることなどが人気の要因になっているのでしょうか。
本当に胸を張ってそんなに立派な国ですよというには
昨今の社会のあり方は恥ずかしい状態です。
しかし、そのような中でも精一杯良い社会のために、そして
この機会に私たちがこれから何をどう発信していけば本当の意味での
良き国日本となれるのか、背筋を伸ばして考えなければならない時なのでしょう。