蝋梅の花がひとつふたつと咲き始めました。
馥郁たるかおりが周辺を暖かくしてくれます。
梅や万作の蕾はまだまだ固く閉じたままです。
それに比べ、今日のこの寒さの中でしっかりと花開いているのを見るにつけ
植物の力強さを感じます。
それが自然の営みというものなのでしょうか。
年を重ねるにつれ、同じリズムで行動できなくなる自身を顧みた時
その強さと不変性に感じ入るばかりです。
大きな樹の可憐な花を見て、次の世に生まれ変わるとしたら
歩くことは出来ないが、地面に根を張り、ゆったりと生き続けられるなら
樹木も良いなぁと思います。
時々、鳥が飛んできて枝に止まり、話をし、風が吹いては時々の香りを届けてくれる。
雨の日もあれば、日の照りつけるときもある。
変らず樹木は立ち続け、年を重ねる。
大きな樹木を見ると人格と同様、樹の格を感じます。
幹に耳を当てると水や養分の流れるかすかな音が聞こえます。
友人の歌に
人生の午後の影濃し枯れ欅 忍
があります。