物作りをする人とそれを売る人
昔からの友人から久し振りに電話がありました。
いろいろな話の後、奈良の物作りがいまひとつ元気がないし
その上、その売り方も良くないねとの厳しい言葉が出てきました。
そう言われると私自身も思い当たる節があります。
最近は手作りの良いものよりは、工業デザインの中でのおもしろいものが目に付きます。
特に若者向けの商品にその傾向があるように思えます。
それだけ若手のクラフト作家や伝統工芸の作家の活躍が少し下火なのかもしれません。
バブル前からバブル期にかけてはその人たちがもっと元気で
画廊や百貨店での展示会もおもしろいものがあったように思います。
最近はファッションの世界でも画一的で流行に流され、その方向へばかり阿(おもね)ているのではないでしょうか。
このことは長く景気が悪かったことと関係しているように思います。
景気がよければ少しは冒険もし、手堅い安全なことばかりで商品を揃えなくても良い訳ですが
この20年ほどはそのような余裕もなく、皆が皆、必死にまずは食べられるようにと頑張ってきた結果
創造性も面白みも欠ける、着実で万人受けするシンプルな路線が優先されて今に至っているのではないでしょうか。
多分多くの人々は、それはベーシックで飽きもこなくていいが、そろそろほかにも良いもの楽しいものがあるかもしれない。
そんな気分になりだすのではないでしょうか。
来夏から秋にかけてはそんな消費者の気持ちに応えて
私たちも自身たちの持ち味である日本の伝統の中の “華” の部分を出すタイミングなのかもしれません。
そのために来春から用意をしていこうと思っています。
友人との30分ほどの電話のおしゃべりの中で、こんなことを考えていました。
今年、ブログを始めて10ヶ月になります。
皆さんが何を思われているのかも解らず、単に自分が思いついたことをときに書き留めています
こうすることによって自分の気持ちを固め、何を何の為にどのようにしたいのかを自問自答しているのかもしれません。
長らくおつきあいいただきました。
来年もよろしく、良き年をお迎えください。