井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

 

 

今年一年

 

去年の今頃は博道の容態が悪化する中で

一日一日を重ねることの重さを思った日々でした。

今秋は冬の到来が思いのほか早く、仕事の面でも春夏のカタログ作りに追われる毎日でした。

 

私の一生の中で、こんなに身近な人たちが逝ってしまったことはもちろん初めての経験でした。

今まで、過去のことを思い起こして話をするということはあまりなかったのですが

最近は人に話さないまでも、自身の記憶をたどり、昔のことを考えることが多くなってきました。

博道は生前、同輩の人たちとの集まりでは必ず昔は「どうこう」という話ばかりして

これからの事については中々話題にのぼらないと嘆いていたのを思い出します。

私もその年齢になってきたのか、周囲に起こることの影響なのかと考えます。

 

10日前より、来年卒業の人たちの面接が連日続きました。

社会人として認められる試験は今までいろいろな試験を経験してきた中でも最後の大きな壁なのでしょう。

特に、12月になって面接ということは、ここまで数多の会社にトライしての後のことなのでしょうから

またダメかもしれないと思うと同時に、精一杯何とか良い成果を得ようとの緊張そのものでした。

そういう中で本人の人間性を少しでも見たいと質問をしていきます。

20分ほどの間に自分の良いところをアピールできる人もいれば

緊張のあまり、質問に対してピントの外れた答えがあったりと様々です。

多分、人生の中でも就職試験の緊張感は社会人となるための登竜門で後にも前にもない経験なのでしょう。

それだけに面接する側の私たちも大きな責任と、若い人たちに“大人とは”という面を問われているような気にもなります。

 

来週には結果を連絡することになります。

皆さんが立派な社会人として、社会のために良い仕事をされることを望んで止みません。

 

12月も半ばにきました。

そろそろ年末のご挨拶や新カタログの送付の用意やらが始まります。

 

 

 

 




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