井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば

 

 

季節の料理

 

 

虫の声が高く、日中の暑さとは裏腹に秋めいてきました。

先日までは、食事に冷やしたものを必ず入れていたのが

この数日前よりはお吸い物も温かなおすましに茸や白身魚や名残の茗荷に柚子などの具が美味しいと思えるようになりました。

ようやく秋の味を楽しめる季節の到来です。

 

寒かった冬が終わる春は、新芽の芽吹きを楽しむ山菜の美味しさは日本料理ならではのものです。

春は香りを楽しみ、どちらかというと秋は味わいの季節のように思います。(筍と松茸は当てはまらないかも…)

特にお汁のものが何より秋の季節を象徴します。もっと秋が深まると葛を引いたり、お味噌を使ったりと冬に近づきます。

日本料理は一に季節を楽しむ、味と香りと目を満足させるものです。

家庭料理であっても、それを反映させるように器と共に日々楽しみたいものです。

 

 

 




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