沖縄の苧麻と会津の苧麻
7月2日、梅雨の晴れ間に友人の沢田さんの苧麻畑を会社の新人達と訪れた。
麻布を扱う私達が手織の麻布がどのように作られるのか、見て、体験して、教えていただくことにしました。
円成寺へ続く道筋の山間に畑と作業場がありました。
畑仕事など全く未経験の皆ですが、80cmほどの会津の苧麻と1m以上もある沖縄の太い苧麻をそれぞれ鎌で刈り取り
天地を揃え、表皮を削ぎ取り、水に浸す。
そこまでを畑で行い、後は会社でそれを糸にするための作業を行いました。
私も含め、皆が難儀したのは、糸作り苧績(おうみ)でした。
沖縄の苧麻は太くて成長も早く、年間4回も収穫できるとか。
それにくらべて福島の方は年1回の収穫で、成長は遅いがしっかりとよく詰まった繊維がとれるとのこと。
木でも草でも同じで、南洋材は木目が粗く、年月をかけて成長した国内材は木目が細かく
一般的には強固だということに通じるのではないでしょうか。
縦糸に巻き取ったり、杼(ひ)に入れる横糸の“へそ”を作ったりとなかなか根気と精度を問われる仕事だと
体験することで納得した一日でした。
1疋24mの麻布地を織り上げるまで、どのくらいの日数が要るのか、
それ以前に手作りできる人がどのくらいいるのか等など
高騰する麻布のことを考えると、それもそのはずだな、と変に得心したりもしました。