井上千鶴の言葉

井上千鶴のことば


 

人生は第三部から

 

私は6月で満66歳になります。

最近このようなことを考えています。

 

父母から生を受け、成人して社会人となり、23歳で結婚し、25歳で長女を出産しました。

子育てをしている中で自分とはいったい何なのか、社会人として生きているのか等などを考え始めました。

今から思えば、結婚し子供にも恵まれ大変幸せだったのですが

反面、家庭の中での自分しか存在しないということがそういう思いにさせたのでしょう。

今で言う自己実現という手応えがほしかったのだと思います。

そして徐々に子供から手が離れる時期を見計らって40歳で会社を作り、現在に至っています。

 

幼い時から自覚するまで(30歳くらい)を第一部とし、それ以降、懸命に働いた時(63歳くらい)を第二部とします。

そして、いよいよ第三部は人生の最終章です。

今まで出来なかったこと、仕残したことを実現させる時だと思います。

会社を作り、博道と共に理解していたところは

洋の東西を問わず、また、新、古美術にかかわらず、美しい物、素敵な物を愛でる感性と

自然の美しさとその中で育む人間関係を大切にしたいという思いがベースにありました。

これらをひとつにした空間創りこそが一番の希望であったように思います。

お互い、自身の仕事に追われ、気がついたのは私63歳、博道79歳の頃でした。

時々、そんな理想郷のことを話していたのですが、実現しないまま博道は逝ってしまいました。

 

今の私にとっての最大の楽しみは、もちろん井上企画・幡の順調な業績と共に

その理想郷の実現と歩みです。

いよいよ第三部の始まりの時です。

 

 

 

 

 




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